サステナビリティ

対談

スケートボードは性別も年齢も技術も関係ない

ーー後編では、女性活躍の観点から話を伺わせてください。スケートボード界は女性が結果を残しているイメージがありますが、藤澤選手が「女性が活躍しやすい」と感じられたエピソードを教えていただけますか?

藤澤虹々可
以下:藤澤

実はスケボーって年齢も性別も技術も関係なくて、熱量が同じだったら、同じ場所で、同じ時間を過ごせるんです。
例えばプロと初心者が同じ場所で練習をしているとします。でも上手くなりたいとか、楽しい!という気持ちが同じだったら、プロの方はアドバイスを送ったり、初心者が頑張っていれば、プロも触発されて「俺も頑張ろう!」とお互い切磋琢磨できるんです。
そこがスケートボードの魅力でもあるんですけど、それを「女性活躍」という観点に置き換えると、正直女性の方が技術的にはまだまだ劣っています。でも男性は先ほどのような形でアドバイスしてくれますし、男性も女の子だからとは言わず、俺もやらなきゃ!と練習に打ち込みます。性別による差別がないから、女性も同じようにどんどん登っていける環境があると思っています。
それと今はすごく若い子が活躍していますけど、「あのお兄ちゃんには敵わないよ」とかも一切ないんです。そういう文化やメンタル的なところも、女性が活躍できる要因だと思います。

「女だからこうしてほしい」ではない

ーーでは女性にとって社会がこうなったらいいなといったお話はありますか?

藤澤

私はスケートボード界でしか生きていないですし、まだ社会に出てしっかり仕事をしたことがないのでイメージの話になってしまうんですけど、女性じゃ難しいよねとか、そういうところってまだあると思うんですよ。だからこそ女性の活躍推進の話は最近のニュースでよく見ますし、すごく良いと思います。
女性というだけで、体調だったりとか体力だったりに差が出てくるのはどうしようもないことなので、そこに対して働きやすい環境を作っていただくのはすごくありがたいですよね。でも私はそれに対して女性側が「あれなんだからこうしてほしい」というのは違うと思っていて、あくまで“平等”であってほしいなと。
スケボー界は先ほどお話ししたように熱量でやっていけるところがあるので、私ができるところから平等な世の中に近づけていきたいなと思います。

ーーありがとうございます。今度はスマエネ側から、活躍する女性の共通点や女性が活躍しやすいと感じる場面を、増野さんに聞いてみてもいいですか?

増野みどり
以下:増野

私も藤澤選手がおっしゃっていた「女だからこうしてほしい」という視点ではいたくないと思っていまして、社会的なムーブメントがあるなかでも、こういう主張がしたいわけではないんだよなと感じています。ではどうしていきたいのかと考えたときに、私はこれをやることでお互いにメリットがあるよね!? という状態を作っていきたいんです。
私は今の会社にいる間に産休、育休をとって子育てをして、なおかつ時短でやらせてもらってという恩恵を受けてきましたし、周りの皆さんにはかなりサポートしていただいたので、すごくありがたみを感じています。その分私ができることで貢献できればと思っています。
そのひとつとして、実はこの会社で、おそらく私だけ長らくリモートで仕事をしていたんですよね。10年くらい前から1人家で仕事をするということはやっていて。
それがコロナ禍でみんなできる環境になって、男性もそうなんですけど、私のような経験をしている女性は活躍の場が広がったんじゃないかと思っています。スマエネはそういうところにも今まで比較的柔軟に対応してきてくれましたし、制度的にもこれからできることはまだまだあるんじゃないかと思います。

コロナ禍以降に増えた質問

プロスケートボーダー 藤澤虹々可と四人の代表社員

ーーありがとうございます。すごく共感いたします。次に人事として普段採用面接をされている山邉さんに伺いたいのですが、男女平等に働けるのかといった部分を気にしている方々に対して回答していることを教えていただけますか?

山邉速人
以下:山邉

面接の時に女性に聞かれるのは、今どういった方が活躍されていますか? でしたり、女性比率を気にされる方が増えてきたのと、リモートワークや時短などライフイベントが起きた時に会社は対応してくれますか。それは臨機応変ですか? それとも制度として整っているんですか? といった質問です。特にコロナ以降よく聞かれるようになったと思います。

ーー活躍している社員のことを聞かれた時はどう答えているんですか?

山邉

“気付ける人”かなと思っています。自分は男女であまり区別していないんですけど、女性には気づける方が多いなと思っていて。
僕らは組織で働く環境なので、みんなが心地よく働けるようにすることは大切だと思います。その上で、ゴミが落ちていることに気づける女性がいたり、誰かが大変なことをしている時に率先して手伝ってくださる女性がいたり、会社としては気づける方に女性が多いんですよね。
性別問わずやるべきだとは思いますけど、そういう細かいことにしっかりと気づける女性は、仕事面を見てもサポートしてくれる場面が多かったりとか、あれどうなってますか!? っていう気づきを与えてくれる場面が多いなと感じています。

女性が発言しやすい場が多い会社

ーー人事の方が、客観的な視点で、しかも性別などの区別なくお話をしてくださっているのは、すごく良いことだと思います。ちなみに野戸さんは入社して2年経ったということですが、スマエネだとこういう人が活躍していると感じることがあれば教えていただけますか?

野戸あかり
以下:野戸

現場は実際に点検とかをするので男性の方が多いんですけど、本社は女性が多くて、しかもパワフルな印象がありますね。
女性が発言しやすい場が多く活気があるので、その分会社も盛り上がるんだなと感じています。男性が多いと、空気的に女性は一歩引いたりする場面が多くなると思うんですけど、スマエネは全然そんなことはなくて、自らアウトプットできる環境に恵まれているなと思います。

ーー普段も皆さん自由にいろんなところでお昼ご飯を食べていたり、自然体でいられる会社ですよね。ということで終わりの時間が迫ってきました。最後に感想を一人ずつお願いできますか?

山邉

まず今まで皆さんとこういう場で話をする機会がなかったので貴重な機会になったなというのがひとつ。また藤澤選手の話を聞いてスケートボードって楽しそうだなって思ったので、今度子供と一緒に2人でチャレンジしてみたいと思いました。
あとは先ほどいただいた意見を反映して、皆さんが活躍できるような職場をいかに作っていくのかは、自分がやらなくてはいけないことだと思っているので、その方向性を共通認識として理解できたのが良かったです。

スポーツと再エネは繋げられる

プロスケートボーダー 藤澤虹々可と四人の代表社員

ーー次に野戸さんお願いします。

野戸

アスリートとしてトップで頑張っている人と身近でお話できるだけで貴重な体験だったんですけど、さらに藤澤選手は全く気取ってなくて、すごく話しやすかったです。私たちがきっかけになって、会社の他のメンバーとも話ができる場があったらいいのになとか、こういうイベントをたくさんやっていったら、スケートボードはもっと広がるんじゃないかなと。
あとスケートボードってやるのも楽しいんですけど、ファッションとして見てもすごくオシャレというか、そういう観点で見たら、スポーツと再エネも接点がないようで、いろいろ繋げられる可能性はあるんじゃないかと思いました。素晴らしい場を設けていただき、ありがとうございました。

ーーでは、藤澤選手お願いします。

藤澤

みなさんありがとうございました。自分の話を聞いていただけたこともそうですが、多くの方のお話を聞けてすごく勉強になりました。
私の友達はまだ大学生なので、これから皆さんみたいに社会人になっていく時に、こんな雰囲気の良い企業に就職してくれたらいいなと思いましたし、皆さん一人一人が会社を引っ張っていく、成長させ続けるという言葉に感銘を受けたので、私もスケートボードという違うフィールドですけど、スマートエナジー唯一のスケートボード部員として、皆さんと一緒にさらに上にいけるように、ともに歩んでいきたいなと思いました。これからもよろしくお願いします。

ーーシェンさんもよろしくお願いします。

シェン・リリ
以下:シェン

まず藤澤選手の話がすごく楽しかったですし、普段こうして皆で話し合う機会もなかったので、多くの学びがあったと思っています。それぞれ会社や仕事についてこう思っているんだな、部署は違っても同じ方向を向いているんだなというのがわかってよかったです。
あとは藤澤選手のどん底まで落ちたのに、再び立ち上がってカムバックしたストーリーにも感動しました。私はケガの話を聞いて、手術痕を見ただけで鳥肌が立ってしまったんですけど、それを常に乗り越えていく姿勢に背中を押された気がしました。
自分で壁を作りやすいようには全然見えませんでしたし、私の方が何十倍も自分で壁を作っていたなと。私も自分の壁は確かにありますけど、同じようにどんどん壊していきたいなと思います。ありがとうございました。

ーーでは最後に増野さんよろしくお願いします。

増野

いろいろな話を楽しく聞かせていただきました。業種も全然違うし、どこに共通点が!? って思うところもあるんですけど、それでも共感できるところがたくさんあって、対談してエネルギーを直に感じることで頑張ろうと思えたので感謝しています。
あと、やっぱりスケートボードって楽しそうだなって、行ってた時を思い出しながら、今度またやってみようかなと思いました。今までスポンサーをしてるのは知っていましたし、記事も読んでいたんですけど、こうして直接触れ合うと、全然分かってなかったんだなと感じたので、すごく有意義な時間でした。

ーーそれでは、対談を以上とさせていただきます。お忙しいなか、皆さんご参加いただきありがとうございました。

一同

ありがとうございました(拍手)

プロスケートボーダー 藤澤虹々可と四人の代表社員

プロフィール

沈 麗麗(シェン・リリ)

分散型太陽光運営管理部
2010年入社。さまざまな知識や技術を身につけるために途中で抜けるもカムバック。現在は今年の1月に立ち上げた新部署、分散型太陽光運営管理部に所属。最先端のITシステムを駆使しながら、900件にも及ぶ小型発電所の管理を担当している。社内新業務の立ち上げメンバーとして誇りとプライドを持ちながら、書類作成や事務、営業まで幅広い業務をこなしている。

増野みどり(ますの・みどり)

管理本部 ITチーム
入社14年目のベテラン社員。スタートアップ企業であることに魅力を感じ、入社してからも一切変わらないフラットかつ自由、エネルギーに満ち溢れた環境の中で精力的に活躍。CO2排出量の検証を確認するコンサル業務を経て、現在はIT部に所属。各サービスセンターのネット環境の整備や太陽光発電所の管理、社内データの管理システム構築などを担当。社内でシステム開発をするという初の試みにチャレンジ中。

野戸あかり(のと・あかり)

O&M部 予算・請求・契約管理チーム
小さな頃から珠算を習うなど数字に強かったことと、再生可能エネルギーというジャンルに将来性と魅力を感じ入社。クライアントへの請求書の発行や、全国に散らばる発電所の拠点の予算管理をサポートするOM部の請求管理チームに所属。2年目を迎えた今はより多角的に業務に取り組む。一方でスポーツ好きの側面も持ち、プライベートではアウトドアを存分に楽しむ。社内イベントにも積極的に参加するアクティブウーマン。

山邉速人(やまべ・はやと)

管理本部 人事総務部 マネージャー
人事総務部の人事労務チームに在籍。全国各地の技術者や本社勤務の人材の採用業務、給与関係の計算、社会保険関係の手続き、勤怠管理等を担当。今年の5月に入社したばかりながらも、すでに50人以上を採用するなど、会社や業界の伸び代、可能性を感じる日々。急激に人数が増えている現状にあり、労働環境の最良化に向け、現在は人事労務系規定や福利構成の見直しにも取り組んでいる。

藤澤虹々可(ふじさわ・ななか)

プロスケートボーダー
オリジナリティあるトリックチョイスを武器に、若年層の活躍が目立つ女子ストリートシーンにおいて稀有な存在感を放つお姉さん的存在。東京五輪予選で負った2度の大ケガも克服し、今年4月の日本オープンで優勝したことで、パリ五輪においても強化指定選手にカムバック。一方でストリートでの映像作品制作にも余念がなく、コンテストと双方で活躍するハイブリッド。チャームポイントのメガネルックと温厚かつ人情味あるキャラクターで、多くの人物から愛される日本を代表するトップガールズスケーター。
プロスケートボーダー 藤澤虹々可