サステナビリティ

対談

スマートエナジーは「美しい地球をつなぐ」というミッションを掲げ、再生可能エネルギーに関わる事業を通じて、気候変動問題の解決に取り組んでいる。
事業を存続するためには、従業員が安心して働き続けられる環境づくりが重要だ。従業員の声に応え、業務負荷軽減のために導入した「自動車メンテナンスリース」は、結果的に環境配慮にもつながる画期的な取り組みとなっている。
リースサービスの導入背景やサステナビリティに関する想いを、スマートエナジー管理本部 井上智広と、自動車メンテナンスリースを提供するSMAS営業本部 福間晃さんとの対談形式で伺った。



きっかけは「従業員の力になりたい」という想い

ーースマートエナジー(以降、SE)では発電所の運用・保守(O&M)事業において使用する車両の調達方法を、中古車購入から「自動車メンテナンスリース」に切り替えましたね。この背景について教えていただけますか?

井上

きっかけは、従業員からのSOSでした。従来は、現場が購入した中古車1台1台の管理を管理本部のスタッフが行っていましたが、事業拡大とともに管理する台数が増え、業務負荷が高まっていました。いつも責任感をもって業務を進めてくれている従業員を助けたいと思っていた時、SMASの「自動車メンテナンスリース」を知りました。
 
リースによる業務工数の削減に加えて、燃費効率が高い車種を導入しやすくなるのもメリットの一つでした。弊社は2023年にSBT認証(※)を取得し、温室効果ガスの排出削減目標の達成に向けて、車両から出るCO2排出量を少しでも減らしたいと思っているからです。
 
※企業が、パリ協定と整合性のある温室効果ガス排出削減目標を立てていることを示す国際認証。

ーー今回SEが導入したのは、SMASが展開するリースサービスです。貴社のご紹介と、SEへのご提案背景をお聞かせいただけますか?

福間

SMASは、グループで約102万台の車両を保有・管理するオートリース業界のリーディングカンパニーです。メンテナンスリースをベースとした車両管理サービスや、事故削減を目指したリスクマネジメントなど、質の高い総合車両管理サービスをご提供することでお客さまの課題を解決してまいりました。
 
このたび、SEの「車両台数増加に伴い管理工数が増大している、ガバナンスを強化したい」とのニーズをお聞きし、SMASの提供するメンテナンスリースが課題解決に対するベストアンサーであると考え、ご提案いたしました。メンテナンスリースは、車両管理のアウトソーシングから車検期日管理、安心・安全に基づく適正な点検整備といったコンプライアンス遵守の部分まで寄与することが可能です。
 
打ち合わせの中で、SBT認証によりCO2低排出車両の導入を優先するご意向も伺いました。低排出ガス車種導入促進のため、車両を使用する拠点が自由に中古車を選んで購入していた従来のフローから、本社側で低排出ガス車種をあらかじめ厳選し、その中から適正車種を拠点が選定するという、新たなフローの構築にも携わりました。


事業拡大とともに期待するスケールメリット

ーー実際にリース導入が始まり、感じているメリットや率直な感想を教えてください。

井上

管理本部スタッフの声としては、まだ初期段階のため大幅な業務改善を実感しているわけではなさそうです。ただ、車両を使う現場の従業員にとっては車検代等、立替精算の工数削減や、新車に乗れるメリットなどがあると聞いています。
 
弊社のコア事業は全国各地の発電所の運用・保守ですので、今後事業が拡大し、さらに車両の導入台数が増えていけば、スケールメリットが大きくなると考えています。
 
また、SBT認証の観点で言えば、弊社のCO2排出量の約2/3が社有車の使用燃料です。リース車両の導入割合が増えれば、CO2排出削減目標に対するインパクトもさらに大きくなると思います。

ーーSEの現状について、アドバイス等あればお願いいたします。

福間

業務フローを大きく変え、本社一括管理とされたので、管理本部の方々にはこれまでにない業務が発生していると思います。新たに発生した業務をいかに効率化・簡略化していくのかがキーポイントとなるでしょう。
自動車リースはご契約いただいてからがスタートですので、今後BPRを重ねてさまざまな部署の方にメリットを感じていただけるよう、業務改善に貢献したいと考えています。


SEとの親和性が高い「SDGsリース」の取り組み

ーー今回併せてご提案いただいた「SDGsリース」について教えていただけますか?

福間

SDGsリース『みらい2030(ミライニーマルサンマル)®』とは、SMASの株主の1社でもある三井住友ファイナンス&リース(以降、SMFL)が提供する国内初のSDGs達成に貢献できるリース契約となります。SMASではその自動車版を取り扱っており、リース料の一部をSMFLがSDGs達成に資する公益財団法人または認定NPO法人などに寄付する「SDGsリース『みらい2030®』(寄付型※)」として、広くお客さまにご案内しております。
 
このたびのリース取引内容が、SDGsリース(自動車版)の条件に合致しており、SEの事業との親和性も高い商品であると考え、ご提案いたしました。なお、寄付先としては、森林保全活動やカーボンオフセットを行う一般社団法人more trees様へのご寄付をご選択いただいております。
 
※お客さまからの賛同を得て新規リース契約のリース料収入から定率を自動的に寄付する取引のこと


▼SDGsリース『みらい2030(ミライニーマルサンマル)®』契約企業一覧

https://www.smfl.co.jp/service/sdgs_lease/#sdgs_content04

ーーSEとして、「SDGsリース」に感じているメリットはありますか? 

井上

「美しい地球をつなぐ」という弊社が掲げるミッションとの親和性が高く、ご提案に感謝しています。弊社の事業は「再生可能エネルギーの導入量拡大」によって気候変動問題の解決に貢献していると思いますが、再エネ以外の分野でも環境を守る活動には力を入れていきたいと考えています。
低燃費の車種を選ぶことでCO2の排出量削減につながるだけではなく、リース費用の一部で森林保全等にまで貢献できるのは、非常に魅力的でした。


会社・社員が一体となって関わるサステナブルな取り組み

ーー各社が実践している、または今後実践したいサステナブルな取り組みについて教えてください。

井上

SDGsやサステナブルというキーワードに世の中の注目が集まっている今、企業がどのような取り組みを行っているのかに興味関心を持って入社する新入社員も増えています。SEの事業自体がSDGsの達成に深く関わっているというアピールはもちろん、社会貢献活動が評価・表彰される制度など、従業員がサステナブルな取り組みに自発的に取り組んでいける環境を作ることができれば、と考えています。

福間

SMASは、経営理念の中で「お客さまから支持される新たな価値を提供し続け、クルマ社会の発展と地球環境の向上に貢献」することを掲げ、サステナブルな社会を目指しています。そうした中で、すでに始めている3つの活動を紹介します。
①SMASの森
2017年11月より、神奈川県南足柄市の森林(3ha)にて従業員ならびにご家族による
森林保全活動(ボランティア活動)を年に4回実施しております。
②災害ボランティア
今年1月に発生した能登半島地震の発生について、いち早く被災地への義援金や営業部門による災害支援ファンド、EV・軽トラックの寄贈をはじめとして金銭的・物質的支援にくわえ、有志社員によるボランティア派遣を行いました。
③EVカスケードリユースプロジェクト
リユースEVは、中古車としての再利用だけにとどまりません。個々のEVやバッテリーの能力を検証し、その能力に応じて二次利用を行うことにより、限られた区域内での車両としての活用、BCP対策も兼ねた「動く蓄電池」としての使用など、さまざまな形で長期間にわたりEVの機能を発揮させることができます。

ーー今回のリース契約をきっかけに、両社のコラボレーションによるサステナブルな取り組み等が実現すれば幸いです。今後ともよろしくお願いいたします。



<プロフィール>


福間 晃(ふくま あきら)

SMAS 営業部門長補佐 兼 首都圏営業本部長

1986年4月、SMASの前身にあたる住商オートリース株式会社に入社。一貫して自動車リースの営業に携わり、現在は営業部門にて首都圏をはじめとした主要エリアの営業を統括している。

SMAS(住友三井オートサービス)企業HP:
https://www.smauto.co.jp/

井上 智広(いのうえ ともひろ)

スマートエナジー 執行役員 管理本部 コンプライアンス リスク担当

日本GE株式会社のリスク統括本部を経て、2013年スマートエナジーに入社。現在はビジネスリスクコントロールの主幹として、契約、コンプライアンス、EHS及びIT関連を含むリスクマネジメントを牽引している。